Darjeeling
今夜のお茶は『Darjeeling』
ここにきってやっと王道のお茶です。
昨晩、映画を観て帰ったと書きました。
近所の映画館では字幕版が昨日が最終日だったので『くるみ割り人形と秘密の王国』を観に行ってきたのです。
わたしは原作であるバレエのくるみ割り人形が大好きなのです。
音楽も物語も踊りも。
映画は原作とは全く違う作品だと思えば、まあ楽しめました。
クララが完全にディズニープリンセスになっていましたが、あれは別物なので。
わたしは3歳から10年程バレエを習っていました。
お金持ちのお嬢さんが通うような、立派なスクールではなくて。
お稽古場は老朽化の進んだ幼稚園を借りていて、先生はちょっと変わった所謂オネエ口調のおじさま。
色々とちぐはぐで、世の中の人がイメージするバレエスクールとはきっとひとつも重ならない風変わりなバレエ教室でした。
発表会も滅多にないし、やるとしても全幕やるような大掛かりなものはなくて、ソロで踊ったこともないままに中学受験を前にやめてしまいました。
その数年後に、先生も結構お年を召されていたので他界してしまい、あの幼稚園も閉園してしまいました。
そうして、わたしとバレエのつながりは無くなってしまった。
でも、踊ることはなくなってしまっても観劇することはわたしも母も大好きで。
幼稚園の頃から付き合いのある、ひとつ年上の女の子はずっとバレエを続けていたからその子の発表会に招待してもらって何度か観に行っていた。
彼女のバレエスクールは地元では大きなバレエ団で、発表会も大きなものだった。
12月には毎年くるみ割り人形を上演していて、わたしはそれを毎年楽しみにしていた。
バレエの公演を全幕ちゃんと観たことがあるのは、くるみ割り人形だけというのもあるけれど演目の中ではくるみ割り人形が一番好きだった。
幼い頃に、バービーのくるみ割り人形の映画を見せてもらってストーリーを知って。
金平糖の精の衣装を着たバービー人形で遊んでいた。
くるみ割り人形の音楽はクリスマスの高揚感があふれていて今でも大好き。
今年はくるみ割り人形の音楽を全幕落として、プレイリストを作って、移動中ずっと聴いている。
クリスマスプレゼントにもらったくるみ割り人形をネズミの王様から助けたクララは、お菓子の国に招待されて、そこで歓迎の踊りを披露される。
チョコレート、コーヒー、お茶、トレパックに葦笛。
いろんな国のお菓子の精たちの踊りを観て、女王である金平糖の精からお礼をされて。
お菓子の国から元の世界に帰ってからもクララはその世界の出来事を覚えている。
一夜限りの夢物語。
それでもわたしは幼い頃、あの世界に憧れた。
今も、憧れている。
昨年はKバレエのくるみ割り公演を母と観に行った。
子序曲が流れて物語が始まる高揚感も、コーダが流れて、もう終わってしまう、終わらないでと思ってしまう寂しさも、また味わいたい。
ひとつの舞台で繰り広げられる一晩の物語に、わたしはこれからもずっと憧れて、夢を見続ける。