New Year’s Tea

 

 

今夜のお茶は『New Year’s Tea』

ちょっと気の早いお茶です。

 

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今日は久しぶりに会う友だちと食事の約束があって出かけていて、その後にひとりでレイトショーを観て帰ってきたらすっかり遅くなってしまいました。

 

いつもなら家までバスで帰るし、最近は寒いからとか疲れたからと理由をつけて、バスのない時間になってしまった日はタクシーで帰っていたのだけれど、今日は久しぶりに歩いて帰った。

 

 

駅から家まで歩くと30分以上かかるから、寒い日とか疲れている日は億劫なのだけど、あの道のりや景色は結構好き。

 

今日は久しぶりだったから、とっても素敵な帰り道だった。

 

 

寒い日の夜はとびっきり空気が冷たくて澄んでいるから、星が綺麗に見える。

 

小さい頃、朝早くに仕事に出かける母の姿を見送るために3時頃に目を覚ましたことがあった。

そのとき、窓から見上げた星空があまりに綺麗でしばらくずっと見上げていたっけ。

 

そのときにはじめて、冬の夜中に見る星空が一番綺麗だってことをわたしは知った。

 

 

星座を知ってからは、星座早見表を持って夜にベランダからずっと星を見ていた。オリオン座が一番好きだった。

星を眺めながら歌った夜も何度もある。

父の家に家出したときも、あの広いベランダに勝手に椅子を置いて、毛布にくるまって、一晩中星を眺めていた。

星が綺麗な夜はいつも首が痛くなるくらい上ばかり見ていた。

悲しいことがあった帰り道、見上げた空の星があまりに綺麗で泣いてしまった夜も何度もあった。

涙でぼやけた視界の中でさえも、星の輝きは綺麗だった。

 

 

わたしと星は深い結びつきがある。

わたしは星に愛され、星の元に生まれ、誰よりも輝く。そういう名を持って生まれてきた。

 

だから小さい頃から星はずっと大好き。

 

 

今夜も星が綺麗だった。

最近はずっと引きこもってばかりいたから、星の輝きを忘れてしまっていた。

 

 

物語に触れると、いつもと変わらないはずの景色が違ったものに見える。

 

 

空気が澄んでいること。

息が白くなっていること。

星が綺麗なこと。

その全てがいつもとは違って感じられる。

 

空気も、匂いも、星も、足音も、街明かりも、雨露に濡れた草が輝いて見えるのも、重なった草の影も、枯葉も、冬の木の枝の細さも、街灯のつくる長い影が落とされているのも、その全てがいつもと違う。

 

いや、きっとそれらはいつもそこにあって。

わたしがあたりまえの変わらない景色として見過ごしているだけで、それらはいつもそこにあるけれど、いつだって少しずつ姿を変えている。

 

そういった景色の変化を、物語に触れた日は隅々まで感じられる。

視界が冴えて、心が敏感になる。

 

 

 

だから、物語って大好き。

 

 

今夜はオリオン座がよく見えた。

夜の公園は木々たちが寄り添って、まるで秘密の王国への入り口のようだった。

 

物語はいつだって、普段忘れてしまいがちな大切なことを取り戻すきっかけをくれる。

 

 

今日もまた大切なことを少し、思い出せた気がする。